▶︎私はまだ、スタンディングオベーションを贈ることができない。 ▶︎「これ、かっこいいよね。」に共感できると自信になる。 ▶︎人からもらうのが勇気。自分の中から湧くものは、衝動。 ▶︎映画から連想する料理のcinemanma!
私はまだ、スタンディングオベーションを贈ることができない。
私が映画に魅了されたのは幼稚園の頃。それから29歳までどれだけの映画を見たか、同じ作品を何度見たのか・・・数え切れません。その中でも映画館で立ち上がり、精一杯の拍手を贈りたくなったのはこれが初めてでした。
ただ実際には、そんなことはできなかったんです。私がこの作品にそれほど感化されたのは“スタンディングオベーションを贈りそうになりながら、実際にはできなかった”理由にこそあります。
実は昔から極度の上がり症だし臆病者です。小学生の時には授業で手をあげるのなんて逃げたいほど嫌だったし、好きな人の前では一言もしゃべれなかった。カメラを向けられれば絶対笑わない・・・恥ずかしいし何か怖かったんですね。アニメキャラのような高い声やドール人形のような、くるくるの天パーも恥ずかしくて仕方がありませんでした。
そんな私が料理を作ったり、言葉で表現したりできるようになったのはファッションや音楽、映画や世に溢れるカッコイイものたちのおかげ。
星の数ほど無限にある出会いの中で、「あ、これカッコイイ。」そう思えることが小さな自信になったんです。
「これ、かっこいいよね。」に共感できると自信になる。
センスが良い人が「これカッコイイよね。」っていうものに共感できた時ってちょっと嬉しいじゃないですか。ちょっとおかしな話だけど、この人ステキって思った人が創り出すものをカッコイイと思ったり感動できることが、私にとっての勇気の源なんです。その積み重ねのおかげで、不器用なりに生きてこれたかなぁなんて思います。
だけどね、人目を気にせず大きな声で歌を歌ったり、媚びない表情や強気な創作なんて、まだまだできていません。だって、人からもらう勇気はほんの数秒のもろさなんです。自分の中から湧き出た時には、それを「勇気」だなんて自覚しないはずなの。「衝動」とでも言うのかな?
私はその「衝動」を映画『ボヘミアン・ラプソディ』の中に見ました。
人からもらうのが勇気。自分の中から湧くものは、衝動。
クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーは決して強いだけの人間ではなくて、自ら孤独を創り出しては嘆いて子供みたいにみんなを振り回す。
ところが、彼の発する音楽には絶対的な力強さがあって、その迫力に世界中が熱狂しました。この作品が公開されるまで世界から見える彼は「強さ」だったかもしれません。彼にとって音楽は「湧き出る衝動」そのものだったんじゃないでしょうか。
やっぱり天才はすごいね、と片付けてしまえば何もヒントもなくなってしまうし、天才という言葉で人をくくるのが好きじゃないから・・・「衝動」は、探せば誰でも見つけられるものだと思うことにしたんです。
一つ一つの出会いに、「カッコイイ、綺麗、可愛い、素敵、最高」を敏感に見つけていれば気づかないうちに衝動に駆られてしまうはず。
衝動の渦の中に入ってしまえばきっと、素晴らしい作品に純粋なスタンディングオベーションを贈れるに違いないって思うんです。
それは自分の根本にあるはずだから、誰しも真ん中にフレディのような「強さ」を持っているんです。とても大事なものだから、「弱さ」で守っているのかもしれませんね。フレディの「強さ」と「弱さ」に生き様を教えてもらいました。
映画「ボヘミアン・ラプソディ」の予告はこちらから
映画から連想する料理のcinemanma!
この映画から連想する料理は、紫と黄色の背景にフレディ・マーキュリーが力強く歌う姿が描かれた今作のポスターをイメージしたスープ。ビーツの赤が鮮やかすぎてうまく紫にならなかったけど・・・。
“色の違う同じ野菜”(ビーツ)を使い、映画に描かれた「力強さ」と「弱々しさ」を一つのお皿に同居させてみました。
フレディは改名し、生まれ故郷も隠して生きていきましたが、好物は故郷の「インド料理」だったと言われています。(かつてのインタビュー記事の情報。)そこで、仕上げにはインド風味をアクセントに加えました。
今年からスタートしたcinemanma!の『月1日のSOUP&CAFE』でこちらのレシピをプレゼントしました。本当はこのブログにも載せようかな、なんて思ったんだけどちょっと秘密にしておきます。ヘヘっ。
次回は2月10日(日)を予定しています。2月は映画「ショコラ」から連想するスープの回です。
12ヶ月のスープ、お楽しみに。
まとめ
・どんなスターも「強さ」と「弱さ」を持っている同じ人間。
・感動やトキメキを敏感に見つけることは「勇気」以上のものを見つけるコツ。
・衝動の渦に入ってしまえればスタンディングオベーションを贈れる。
いつもご覧いただきありがとうございます。
今年も、よろしくお願い致します。
2019.01.06
Mineko Koyama
Live, Love, Laugh, and…Be “HAPPY”
Thank you